「水道を外資に売却」がなぜ今トレンドワードに?

陰謀論好き界隈では、数年前からやばいこととして挙げられていた、日本の水道が外資に乗っ取られるぞという話。私は当時本当に心配していました。なぜ大事な水道事業が外資に渡る??どこにそんな必要が?管理運営を民間に委託するにしても国内企業でいいじゃないか…

今回は、事実と誤解、そして本当に心配すべきポイントを整理していきます。

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「水道を外資に売却」は本当?制度の正体は「コンセッション」

それでは実際現在どれくらいの自治体が業務委託を行っているのでしょうか。簡単に表にまとめました。(※表内のコンセッションとは、公共インフラの“所有権”は自治体などの公的機関に残しつつ、運営権だけを民間企業に一定期間“貸し出す”方式のこと)

自治体方式契約企業(例)
宮城県広域コンセッションメタウォーター系「みずむすびマネジメントみやぎ」(ヴェオリア51%)(自治体問題研究所)
浜松市下水道コンセッションヴェオリアグループSPC
太田市・坂井市包括委託明電舎グループ
箱根包括委託JFE、ヴェオリア、オリックスなど

なぜ今話題に?神谷氏の発言が火種に

今話題になっているのは、参政党代表の神谷さんが発言した「宮城県はおかしい!水道を外資に売却」発言をめぐってのこと。県が謝罪と訂正求める、と記事にはありました。上記表内、宮城県の契約企業ヴェオリアとはフランス拠点の外資企業。これをもって外資に売却!と言っているのでしょう。

ただこれはちょっと神谷さんが合っていないかな。売却はしていない。宮城県はヴェオリア等に20年間の運営権を売却業務を委託した、所有は県のまま、ということです。だから神谷氏の発言に宮城県も怒っているのですね。

ただ、所有は県だから丈夫!と言えるのか?ここが不透明なのです。

外資参入で日本人が本当に心配すべきこととは?

  • 民間企業ということは利益追求=水道料金が上がる?
  • 災害大国日本ですが「儲からない緊急対応」をどこまで期待できるか?
  • 議会や住民が「料金が高い」「水質に問題がある」と訴えても、契約次第では自治体も口出しできない可能性がないか?

「所有権は県にあるから安全」と言い切るには、契約内容の透明性・住民の監視体制の確立が不可欠です。

水は命のインフラ。正しい知識と監視が大切

「水道を外資に売却」という表現はセンセーショナルですが、実際には運営委託にすぎません。しかし、その中身を丁寧に見ていくと、日本人として見過ごせないリスクもあります。
本当に大切なのは、“外資だからダメ”と感情的になるのではなく、住民が主権者として正しく監視し、自治体が主体性を持って運営をコントロールできる体制を保つことです。

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